チョコレートバー

私は確かに死んだはずだった。
それがどうして生き返ったのか。
みんな困惑している。
自身も混乱している。

しばらくそんな状態が続いたが、しだいに受け入れられ元の生活を取り戻したかのように思えた。
ただ、生き返ったものの肉体の維持には結構苦労している。
定期的に摂取しないといけないらしいチョコレートバー的な何か。
常にチョコバーを持ち歩く生活。

ある日、知人の車の後部座席。
やたらとバリケードが多い道路。
案の定それは罠で、物陰に賊が潜んでいた。
急いで来た道を戻るも、囲まれていた。
ボンネットに乗り何かを言っている賊。
最近はこういう状況でも振り払って怪我さしたらこっちが罪に問われる理不尽さなので警察を呼ぶ。
警察が到着するまで車がもつか怪しい。
賊の人数はこちらと同じくらいだし、戦ってみてもいいかと下車する。
が、よく見たらまだ若く更生の余地もありそうな少年たちだ。
悪いのは彼らではなく、この荒れ果てた国を作った政府ではないのかと思うと戦意は萎えた。
そうこうしているうちに警官隊が到着し、賊を捕らえていく。
一人取り逃がしたようだけどまあ大丈夫だろう、とチョコレートバーをかじる。